災害時に深刻になる医療現場の方言問題

医療を適切に提供するためには、医師や看護師といった医療従事者と患者との間でしっかりとした意思疎通ができていることが重要です。患者はどのような部分にどのような悩みがあるのかを伝え、医師がそれを正確に理解していなければ、適切な医療行為を提供できないからです。これは、医療関係者と患者との間での信頼関係の問題も影響しますが、方言によって妨げられていることもあります。方言による意思疎通の難しさは、2011年におこった東日本大震災の際に、医療関係者の間で大きく問題となりました。東日本大震災は、岩手や福島、宮城などといった地域で起こり、この地域は独特の方言が使われることも多いのです。

大災害が起こり、多くの患者が存在しているにもかかわらず、医師や看護師といった医療従事者が圧倒的に足りないといった問題が発生したことにより、各地から多くのボランティアの医療関係者が集まりました。医療関係者たちは、医師・看護師としての腕はしっかりと存在しているにもかかわらず、方言という意思疎通がうまくいかない問題によって、長く患者の悩みを解決できない問題に突き当たってしまったのです。時には、地元で働いていた看護師や医師が、患者との通訳として間に入り医療を提供しなければならない状況となったこともあります。医療界では、これらの問題を解決すべく、様々な取り組みを行いだしました。これから医師・看護師となる人々に向けて、大学などの教育現場で間違えやすい方言を教えることや、方言についての学び取り入れたり、方言のデータベースをまとめたりといった行動がそれらに当たります。